白眼視
- 意味
- 冷たく軽蔑した目で見ること。
用例
他人を見下したり、あからさまに嫌悪を示すような視線や態度を表現する場面で用いられます。
- 彼の裏切り行為は周囲から白眼視される原因となった。
- 異端の意見を述べただけで白眼視されるのは悲しいことだ。
- 一度失敗しただけで白眼視されるような職場では、誰も挑戦できなくなる。
これらの例文では、社会的な評価や態度として、他者が冷淡で否定的な視線を向ける様子を描いています。「白眼視」は、行為そのものを責めるというよりも、態度や視線に現れる冷ややかさを指します。
注意点
「白眼視」は漢語的な表現であり、日常会話ではあまり使われません。文語的・評論的な文脈や、やや堅めの文章で効果を発揮します。
また、「白い目で見る」と言い換えることもできますが、「白眼視」のほうがより強く冷淡さや軽蔑のニュアンスが含まれます。場面に応じて使い分けが必要です。
「白眼」は本来中国語の医学や気功、演劇などに由来する語であり、日本語では「黒目ではなく白目で見る」という否定的な印象が強くなっています。
背景
「白眼視」という表現は、中国の古典文化にその起源を持っています。特に唐代の詩人・李白が用いたことで知られており、「白眼視之」すなわち「人を白眼でもって見る」という言い回しが登場します。
中国古典においては、白眼と青眼という対比があり、青眼は「好意をもって見る」、白眼は「軽んじて見る」ことを意味していました。この視線の使い分けは、当時の文人や政治家たちの礼儀作法にも影響を与えていたとされています。
日本では、この語彙が文人や学者の間で取り入れられ、江戸時代以降の漢詩文や随筆、さらには明治以降の新聞・評論文においてもしばしば用いられました。とりわけ近代以降の知識層の間では、軽蔑的な態度や非難を論じる際のキーワードとして重宝されました。
今日においては、文芸や批評、あるいは政治的・社会的な言説のなかで、ある人物や意見が周囲から孤立し、冷ややかな視線を浴びるような状況を表現するのに適しています。
対義
まとめ
「白眼視」は、他人に対して冷たく、軽蔑を込めた視線を向けることを意味する言葉です。その起源は古代中国の文人文化にあり、「青眼」と対になる概念として確立されました。
現代では、人や行為に対して理解や共感を欠いた反応、あるいは周囲からの排除的な視線を象徴する言葉として用いられています。社会的な孤立や差別的な態度を批判する際にも登場するため、感情や倫理に関わる議論でも重要な役割を果たします。
「白眼視」は、相手の心に傷を残すような行為を言語化した表現でもあります。使う側はその重みを認識し、慎重に扱うべき言葉といえるでしょう。