青眼
- 意味
- 相手を高く評価し、特別に好意的に見る目つき。また、親しみや信頼を込めて見る態度。
用例
人間関係において、相手を特別に認めたり、信頼を寄せたりする場面で使われます。文学的・文語的な響きを持つため、改まった文章や評論文に用いられる傾向があります。
- 彼は古くからの師に青眼をもって遇されていた。
- 新人でありながら、社長から青眼の待遇を受けた。
- その若手作家は、評論家たちに青眼で迎えられた。
この表現は、単なる好意以上に、信頼・敬意・期待といった複合的な感情を含んでいます。目上の者が目下の者を見込んだり、評価者が被評価者に期待をかけたりするような場面で効果的です。
注意点
「青眼」は古語的で硬い表現であり、日常会話ではあまり用いられません。また、「白眼」との対比によって意味が明確になる語であるため、文脈が不十分だと誤解されやすい点にも注意が必要です。
また、視覚的に「青い目」と誤読・誤解されることもあるため、特に現代文や口語では使用を控える人もいます。用いる際には、文体や読者層に応じた配慮が必要です。
背景
「青眼」はもともと中国の故事に由来し、晋の名士・阮籍(げんせき)にまつわる伝説が語源とされています。『晋書』などによれば、阮籍は非常に目が美しく、普段は相手に対して横目(白眼)で応じたが、特に好意を持った人物には正面から青い瞳を向けたとされます。
この「青眼」と「白眼」の差が、好意と軽蔑の象徴として受け取られ、のちに青眼=信頼・称賛、白眼=軽蔑・無視という意味で定着しました。唐代の詩文にも「青眼の相」といった表現が見られ、日本にも平安期以降、漢詩文の中で広まりました。
日本では、特に江戸時代の儒学者や文人の間で「青眼の士」「青眼で見る」などの形で用いられ、相手の能力や人格を高く評価する表現として好まれました。また、「青眼士人(せいがんしじん)」という語も見られ、特に知的・人格的に優れた人物を指す称号として使われています。
このように、「青眼」は古典的教養の中で培われてきた表現であり、その由来を知ることでより深く味わうことができます。
類義
対義
まとめ
「青眼」は、相手を信頼し、好意と敬意をもって見ることを意味する、格調高い表現です。その起源は中国晋代の名士・阮籍の態度に由来し、古くから知的・文化的な評価表現として使われてきました。
現代においても、文章の中で相手を評価する言葉として、また特別な信頼関係を示す表現として用いることができます。とりわけ、公的な場面や文学的な文体において、他の言葉では代替しづらい重厚なニュアンスを与えることができます。
ただし、言葉としてやや古風で、使う文脈や読者に配慮が求められます。その点を踏まえれば、「青眼」は人間関係における繊細な心理の描写や、深い信頼の気持ちを洗練されたかたちで表すことのできる、貴重な表現といえるでしょう。