高飛車
- 意味
- 高圧的で見下したような態度をとること。
用例
他人に対して威圧的な言動をとる人物や場面に使われます。相手の気持ちや立場を無視して一方的に命令したり、横柄に振る舞うような態度を指摘する際によく用いられます。
- 店員に高飛車な態度をとる客には、見ていてうんざりする。
- 彼女は最初は丁寧だったのに、こちらが下手に出ると急に高飛車になった。
- そんな高飛車に出られると、こっちも話す気が失せるよ。
これらの例文では、「高飛車」は相手を支配しようとするような言動や、謙虚さに欠ける態度に対する批判的なニュアンスを込めて使われています。上司や先輩といった立場が上の人が見せることもあれば、無根拠な自信から生まれる傲慢さとして現れることもあります。
注意点
「高飛車」は否定的な評価を含む表現です。基本的に他人の態度を批判する文脈で使われるため、自称する場合や冗談で使う場合を除いて、第三者に向けて使う際には慎重さが求められます。
また、誤って「高飛車な人=気が強い人」や「主張を通す人」と混同することもありますが、前者には威圧や横柄さのニュアンスがあるため区別が必要です。「自信家」と「高飛車」は意味合いがまったく異なります。
背景
「高飛車」という言葉の由来は、将棋の戦法にあります。将棋では「飛車(ひしゃ)」という強力な駒を用いた攻撃方法の一つとして、「高飛車」という言葉が生まれました。「高飛車」とは、飛車を自陣よりも前方、つまり敵陣寄りに進めて相手を威圧する戦術であり、一見攻撃的で積極性があるものの、防御が疎かになりやすいという欠点も持ちます。
この戦法に由来して、「やたらと前に出て、威圧的で強気な態度をとること」が転じて、性格や態度を形容する言葉として「高飛車」が使われるようになりました。
特に昭和以降の日本語表現では、女性の横柄な言動や強気な物言いを「高飛車なお嬢様」「高飛車な態度」といった形で描写するのが一般化し、小説・映画・漫画などのフィクションの中でも典型的なキャラクター特性として定着しています。
ただし、元の将棋の戦法では一定の戦略性とリスクが伴う真剣な技術であるため、本来の「高飛車」は単なる悪意のある態度ではなく、あくまで戦術上の姿勢だったという点も見落としてはなりません。
類義
まとめ
「高飛車」は、相手を見下したり圧迫したりするような高圧的な態度を表す言葉であり、他人に不快感を与える言動を批判的に描写するときに使われます。
この表現は将棋の戦術用語から転じて生まれたものであり、元来は前線に出て攻め込む飛車の構えを指していました。それが次第に、強気すぎて周囲に威圧感を与えるような人の言動に対する形容として使われるようになったのです。
日常会話やメディアの中では、主に否定的な意味合いで使われますが、その根には「強さの裏返し」としての傲慢さや、「攻めの姿勢」が持つ危うさという心理も含まれています。
相手を批判する意図で使う場合には、相手との関係性や場の空気をよく見極めて、慎重に選ぶべき語句であるといえるでしょう。適切に用いれば、人物の言動に鋭いニュアンスを添える力を持つ熟語です。