破竹の勢い
- 意味
- 激しい勢いで進み、止めることができないさま。
用例
物事が一気に進展したり、快進撃が続いているときなどに使います。勢いが強く、周囲の抵抗を物ともせず進んでいくような状況に適しています。
- 開幕から連勝を重ねるチームは、破竹の勢いでリーグを駆け抜けている。
- ベストセラー作家の新刊は発売初日で10万部突破、破竹の勢いで売れ続けている。
- スタートアップ企業が資金調達と市場拡大に成功し、破竹の勢いで業界の注目を集めている。
力強く止まらない進展を、自然な比喩として伝えるときに便利な表現です。
注意点
この言葉は強い勢いを表す一方で、あくまで「ある時点での流れ」を示すものであり、必ずしも持続するとは限りません。勢いに乗っている状態を称賛する場面で使われがちですが、それが長続きするかどうかは別問題であるという点に注意が必要です。
また、ポジティブな意味で使われることが多いものの、状況によっては「敵の侵攻」や「暴動の拡大」など、好ましくない方向への勢いを表す際にも使われることがあります。そのため、前後の文脈によって印象が大きく変わる表現でもあります。
単なる「勢い」ではなく、「止めがたい勢い」「連続的な勝利や進展」という点に特徴があるため、使用の際にはそのニュアンスを正確に伝えることが求められます。
背景
「破竹の勢い」という言葉の由来は、中国の古典『晋書(しんじょ)・杜預伝』に記された故事にあります。三国時代の魏・呉・蜀が滅亡した後、西晋が中国を統一する過程で、武将の杜預(とよ)が活躍しました。彼が南方の呉を征伐する際、破竹のような勢いで次々と敵を打ち破り、誰もその進軍を止めることができなかったことからこの言葉が生まれたのです。
「破竹」とは、竹を縦に割ることです。竹は節さえ越えれば、あとはスーッと割れていくことから、「最初の障害さえ乗り越えれば、あとは驚くほど簡単に進んでいく」という意味を持つようになりました。すなわち、「勢いがついた後は、抵抗なく物事が進む」という喩えです。
このように、単なる「強さ」ではなく、「加速度的な進展」や「抵抗のなさ」がこの表現の核心にあります。
日本でも古くからこの言葉は用いられ、合戦や政争、経済活動など、さまざまな分野で快進撃を表すのに用いられてきました。新聞やテレビなどのメディアでも頻繁に登場し、現代においても極めて一般的な表現となっています。
なお、竹は東アジア文化圏においては強さやしなやかさ、節度の象徴として多用されており、その物性に由来する言葉や教訓が多数あります。「破竹の勢い」はその代表例のひとつです。
類義
まとめ
「破竹の勢い」は、まるで竹を割るかのように止まることなく進展し続ける様子を表した、力強く印象的なことわざです。勢いを増す事象の流れに対して、誰も歯止めをかけられないような圧倒的な力を感じさせます。
この言葉が生まれた背景には、歴史上の勝利や征服の場面に見られる「突破口を開けば一気に事が進む」という戦略的な視点があります。現代でも、スポーツ、ビジネス、エンタメなど、さまざまな分野での快進撃を表現する際にしばしば用いられます。
ただし、勢いというものは本質的に流動的であり、一度得た破竹の力も維持には別の工夫や努力が必要です。この言葉は、一時の成功に浮かれず、油断せず次の一手を講じる大切さも、間接的に教えてくれます。
竹は割れると止まらない――そんな自然の性質をうまく言い表したこの言葉は、いまもなお、躍進する者の背中を象徴的に映し出しています。