WORD OFF

得手えて勝手かって

意味
自分の都合や好みにばかりこだわり、他人のことを考えないこと。

用例

協調性を欠いて自分勝手にふるまう人物や、自己中心的な態度への非難として使われます。集団の中でルールを無視して好き勝手に行動する様子などを表す際によく使われます。

この表現は、周囲との協調を欠き、わがままにふるまう人への強い批判や皮肉を込めて使われます。

注意点

「得手勝手」は強い否定的評価を含む語であり、相手の人格や態度を批判的に表すときに用いられます。そのため、目上の人や親しい相手に対して直接使うと、人間関係に支障をきたす恐れがあるため注意が必要です。

また、口語では「自分勝手」「身勝手」などと言い換えることもありますが、「得手勝手」はそれらよりやや硬く、書き言葉的な響きを持ちます。

背景

「得手勝手」は、「得手」と「勝手」という二つの語から成り立っています。「得手」は得意なこと、または自分の好みに合うことを指し、「勝手」は自由にすることや、独断的なふるまいを意味します。つまり、「自分の得意なこと、好きなことだけを自由気ままにすること」から転じて、「他人の都合を無視して、自分だけの判断でふるまうこと」を意味するようになりました。

この言葉は江戸時代から使用されており、町人文化や人情話の中では、家族や近隣との関係における協調性の欠如を戒める語として使われました。また、武士道や儒教道徳が重視された社会では、「公」を尊び「私」を戒める風潮があったため、「得手勝手」は強い否定語として機能していました。

近代以降になると、学校教育や組織論のなかでも、個人の「得手勝手」なふるまいが集団の和を乱すとされ、しばしば批判の対象とされてきました。一方で、戦後には個人主義が強調されるようになり、この言葉の使い方にも変化が生じ、「得手勝手」と批判される行動が「自分らしさ」とも評価される場面も出てきました。

とはいえ、現代でもこの語には依然として否定的な意味合いが強く、社会的なルールや配慮を欠いたふるまいを指摘する際に用いられることが大半です。

類義

まとめ

「得手勝手」は、他人のことを顧みず、自分の都合や好みに従って行動する身勝手さを非難する四字熟語です。

その意味には、「協調性の欠如」「わがまま」「独りよがり」といった否定的な要素が含まれており、個人のふるまいが集団や社会と噛み合わないときに、注意や批判を込めて使われます。

この言葉は、自由や個性の名のもとに、他人をないがしろにするような行動に警鐘を鳴らす表現でもあり、現代においても「相手を思いやることの大切さ」を改めて問いかける力を持っています。

「自分のやりたいこと」と「周囲との調和」のバランスを見失ったとき、人は得手勝手になりがちです。だからこそこの言葉は、集団の中でどうふるまうべきかを考えるための、ひとつの指標となるのです。