WORD OFF

問屋といや只今ただいま

意味
口先だけで実行が伴わないこと。

用例

「すぐにやります」などと言いながら、なかなか行動に移さない場面で使われます。特に、表向きの対応と実際の行動が食い違うことを皮肉るときに用いられます。

いずれの例文も、「言葉と行動が一致しない」状況を揶揄しています。

注意点

このことわざは、相手を非難したり皮肉を込めて言ったりするニュアンスが強く表れます。そのため、目上の人や公式な場面で使うと、失礼にあたる可能性があります。日常の軽い会話や、批判的な文脈で使うのが適切です。

また、「問屋の只今」という言い回し自体が現代ではやや古風になっているため、意味を知らない人には伝わらない場合があります。その際には補足説明を添えるとよいでしょう。

背景

江戸時代、問屋は流通の要として大きな役割を果たしていました。商人や町人は商品を仕入れる際、問屋に依頼をしていましたが、その対応は必ずしも迅速ではありませんでした。問屋は「ただいまお届けします」と口では答えても、実際に品物が届くのはかなり遅れるということが日常的にありました。

このような現象から、「問屋の只今」という言葉が生まれました。口先では誠実そうに見せながら、実際には行動が伴わない様子を皮肉る表現として、江戸庶民の間に広まったのです。

時代が進むにつれて、このことわざは問屋に限らず一般化していきました。たとえば、返事だけは良いが作業が遅い職人、口では大きなことを言うが何も実行しない人物など、さまざまな対象に当てはめて使われるようになりました。

このように「問屋の只今」は、江戸の商習慣を背景にしながら、やがて「言葉と行動の不一致」を広く表す言葉として定着していったのです。

類義

対義

まとめ

「問屋の只今」は、言葉では立派な約束をしても、実際の行動が伴わないことを意味することわざです。江戸時代の問屋の対応を皮肉ったことから生まれ、当時の生活実感を反映した表現でした。

現代でも、返事ばかり良くて実行が遅い人や組織を批判するときに使うことができます。古風な言い回しではありますが、表現の鋭さとユーモアが残っており、今でも活用できる言葉です。

このことわざは、言葉と行動の間にある溝を的確に突いており、私たちに「約束を守ることの大切さ」を改めて意識させてくれるものでもあります。