WORD OFF

おや欲目よくめ

意味
親が自分の子供を実際以上に良く見てしまうこと。

用例

親がわが子の能力や容姿を過大評価していると感じられる場面で使われます。親の愛情ゆえに冷静な判断を欠いてしまっている様子を表す言葉です。

これらの例文では、子供の才能や魅力に対する親の強い期待や評価が、客観性を欠いているということが柔らかく語られています。

注意点

この言葉には、親が無意識にわが子を寛大に見てしまうという前提が含まれています。親として自然な感情である一方、それが過剰になると、子供の実力以上の期待を抱かせたり、他者との比較に対して不公平感を与える恐れもあります。

また、第三者から「それは親の欲目だ」と言われるときは、評価が妥当でないことをやんわりと指摘されている可能性があるため、使い方と場面に注意が必要です。相手の気持ちを傷つけないように、表現を選ぶ配慮も大切です。

背景

「親の欲目」という言葉は、日常の育児や家庭の中でよく使われる身近な表現です。ここでいう「欲目」とは、「見たいものをよく見ようとする気持ち」や「期待に引きずられた目」のことを指します。つまり、親の立場からすれば「自分の子供には優れていてほしい」「かわいく見えて当然だ」という欲が、無意識のうちに子供を良く見せる眼差しにつながっているというわけです。

この表現は、江戸時代から庶民の間で用いられていたと言われ、子供を中心にした家庭の中で生まれる心理の一つとして自然に浸透していきました。親がわが子を守り、誇りに思う気持ちは当然のことですが、社会生活の中ではその評価が客観的であるかどうかが問われるため、「親の欲目」はしばしば現実と期待のズレを自嘲的に語る際の言い回しとして使われてきました。

現代でも、SNSや教育現場などで、親が子の成果や行動を過大評価して発信したりするケースが見受けられ、「親の欲目」という言葉がそれに対する戒めや、謙虚な気づきの契機となる場面が少なくありません。

類義

まとめ

「親の欲目」は、親がわが子に対して自然と抱いてしまう贔屓目(ひいきめ)を表す言葉です。子供への深い愛情から、他人よりも優れていると信じたくなる気持ちは、多くの親にとって共通のものでしょう。その眼差しは、子供にとっては心強く、成長の支えとなる場合もあります。

しかし一方で、それが度を越すと、子供への過度な期待や、他人との摩擦を生む原因ともなりかねません。自分の見方が偏っていないかを自問し、必要なときには第三者の意見に耳を傾ける姿勢も重要です。

「親の欲目」という言葉は、自らを省みるためのやさしい表現でもあります。そこには、愛ゆえに見誤ることのある不完全な親の姿と、それでも子を信じたいという切なる気持ちの両方が込められているのです。温かく、しかし謙虚に、子供と向き合う姿勢を忘れずにいたいものです。